税務Q&A
Question:会社で預金を増やすべきか、運用をすべきか迷ってます。
Answer
経営状況の良好な会社では、利益が生じ、納税後も純資産は上昇していきますね。
黒字になり、預金が増えていくと色々な案を検討するケースもあります。
基本的に私のお客様へは、以下の様なステップでご提案等をしております。
①安全保有預金残高の確保
まず、会社経営に必要なランニングコストを算出し、企業毎に併せて確保すべき
預金残高を計算し、クリアしているかの確認。クリアしている場合には②へ
②新規事業展開か、現状事業の維持又は拡大か。
新規事業展開の場合にはイニシャルコストが生じます。この場合の事業計画を策定し
保有資金で進めるか融資を受けるかの検討をします。
現状維持・拡大の場合には、新規事業展開ほどのイニシャルコストは必要無いケース
が多いですが、事業計画の作成はします。
③現預金が余る場合の資産ポートフォリオの作成
現状、インフレ率が2%~3%という中で今の100万円は将来同じ価値を持たないこと
となります。(今100万円で購入できるものが、来年は102万円以上となるイメージ)
預金利率を超えるインフレ率である事から、預けているお金は目減りしている事と
同じです。
そこで、運用や節税を図る事で、営業活動で増加する預金とは別に、今ある預金を
その他の資産に変える事で目減りを止め、更には増加させるという内容です。
具体的な方法としては、証券会社や生命保険会社の各社と相談の上、リスクの少ない
且つ節税効果を有無商品に変えていきます。
節税や運用でお困りの方は是非ご相談ください。
Question:節税の為経費を使おうと思いますが良いでしょうか?
Answer
決算前の対策では良くある質問で、正しい効果的な節税は別の記事でご案内しますが、
今回は誤った節税をご紹介します。
節税=経費を使えばできる。
これは正しい考えではあります。
しかし、会社にお金が残らなくなるというのは耳にされたことがあるでしょうか?
これを以下の様に計算すると明白かと思います。
1,000万円の税引前利益がでたとします。
法人税が30%だとしたら、法人税は1,000万円✖️30%=300万円になります。
これを節税する為に、400万円の経費を使うとします。
経費を使った事で税引前利益は600万円になるので、
法人税は600万円✖️30%=180万円となりますので、120万円節税できた事にはなります。
良く考えてみれば、120万円の節税をする為に400万円のキャッシュアウトをしたわけ
なので、お金は実質は280万円も余計にお金が無くなったことになってます。
それであれば、300万円納税した方が280万円多く会社に残るわけです。
必要なものを経費として使うならば良し、従業員へ決算賞与を支給し、離職率を下げるの
も良しですが、単なる無駄遣いによる節税は効果なしという事です。
Question:インボイス登録で芸名や屋号で申請はできますか?
Answer
結論:芸名や屋号で申請も可能ですが、本名も併せて公表されます。
芸能関係のお客様で今回あった事例です。
芸能人や著名人は個人事業主であるケースも多々ありますが、インボイス制度の開始に
伴い、多くの方が登録申請するのではないでしょうか。
しかし、登録事業者は誰でも閲覧可能なサイトに実名公表される事となります。
現状は屋号や通称名でも申請は可能ですが本名も併記される事にはなります。
今後改正の余地はあるかも知れませんが、、、、
Question:円安になったので外貨の両替えしましたが確定申告は必要ですか?
Answer
結論:必要な場合が殆どです!
円安が加速していた為、外貨預金を円転(円に両替)する方から良くご質問を受けます。
具体的に以下となります。
①外国通貨を円に交換した場合で利益がでた場合。
外貨を円で取得した時の円の額と交換した際の円の額で増加している場合には為替差益と
なります。為替差益が生じた場合には原則確定申告が必要です。
②外国通貨を別の外国通貨に交換した場合。
米ドルユーロに交換した場合等には、ユーロへの交換時に為替差損益を認識します。
為替差益が生じた場合には原則確定申告が必要です。
③外国通貨を、そのまま外国通貨で預金した場合
手許の米ドル持っていて、外貨預金に米ドルを預け入れた場合、為替差損益を認識しませ
ん。同様に、○銀行の外貨預金から△銀行の外貨預金へ、同一の通貨で預け入れ替えた時
も、為替差損益は認識しません。
この場合は確定申告は不要です。
上記の様に為替差益が生じた場合には雑所得として申告が必要となります。
しかし、為替差損が生じた場合には確定申告は必要はありませんが、他に雑所得があれば
為替差損の金額と相殺可能です。
他の雑所得と為替差損を相殺し、為替差損が残った場合でも、他の所得との損益通算は出来ま
せんし、翌年に繰り越すことも出来ません。
Question:決算対策で従業員へ賞与を支給したいのですが、実際の支給は翌事業年度になる場合、対策にはありますか?
Answer
決算対策=法人税等の圧縮と考え、決算賞与を検討される経営者は多々おります。
未払賞与を損金(経費)にする事以外にも、所得拡大促進税制等を最大限利用して税額を
税法が許容する範囲で圧縮すべきだと考えますが、「所得拡大促進税制における未払賞与」は
税務調査で必ずチエックされるものとして注意をする必要があります。
いずれにせよ、「未払賞与」で一定の要件を満たすものは使用人への支給額の通知日の属する
事業年度に経費(損金)が認められますが、次のような条件が必要となっています。
① その支給額を各人別にかつ同時期に支給を受ける全ての従業員に対して通知をしている
② ①の通知をした金額を通知した全ての従業員に対しその通知をした日の属する事業年度
終了の日の翌日から1ケ月以内に支払っている
③ その支給額につき①の通知をした日の属する事業年度において損金経理をしている
①の従業員に対しての通知は、その事業年度の状況が確定する時期=事業年度終了後になる
ケースが散見さますが、そうなると対策にならない為、従業員と口裏を合わせるという方も
おります。
税務調査の際、従業員へのヒアリングで、正直に「事業年度終了後に賞与が支給される
と聞きました!」と回答する場合もあります。
そうなると、課税当局は修正申告を促す事になるかと思いますが、悪質な場合にはペナルティ
も大きくなりますので、このような橋を渡らず経営をする方が健全です。
弊所では、毎月試算表を作成し、決算月前には決算シミュレーションをした上で決算賞与の
支給を事業年度内にする提案も、上記要件をクリアできる提案も行っております。
ご興味があればご連絡ください。
Question:取引先に商品券を渡したら交際費になりますか?
Answer
結論:なります!
気を付けなければならいのは「その商品券を誰に渡したかを記録しておくこと」です。
税務調査では、高い確率で誰に渡したかを質問され、場合によっては相手先の連絡先
を確認され、反面で贈答の事実があったかを確認する事もあります。
Question:役員貸付金がありますが、調査の時や融資の際に影響はありますか?
Answer
結論:あります!
良くあるケースですと、現金の帳簿残高が実際残高より多い場合や、経費支出の為の
仮払金が経費精算されず残高が残ってしまった。
その為、決算時に経営者のプライベート使用(※使いこみ)である事が分かり、役員
貸付金へ振替えるというパターンです。
そもそも、役員報酬が適正額で無い場合もありますが、単純使い込んでしまうケース
もあります。
役員貸付金は「貸付金」である為、利息とともに会社へ返済する必要があります。
ここからは、税務調査や融資の際にどの様になるのかを記載します。
「税務調査」
役員貸付金が返済の実態が無い場合等には、役員給与と判断されます。
これは、法人税の定期同額給与に該当しない為、この役員給与は法人税の経費になり
ません。
それだけではなく、源泉所得税徴収漏れ且つペナルティ及び、社長本人の所得税
住民税の増額、社会保険料の追徴と踏んだり蹴ったりになります。
「融資」
金融機関等はこの役員貸付金や高額の仮払金は、粉飾を疑うでしょう。
本来経費であるものを、経費計上せず、現金や仮払金として残しておくことで、
損益計算書の利益はプラスに進みます。
更に、預金から引出した現金は経費支出していても、経費にせず現金資産として
残す。
つまり粉飾ですね。
このような試算表では条件の良い融資やプロパー融資は難しいでしょう。
このような事態にならない様に、月次試算表の段階から確認を進める必要があります。
弊所では、年1での決算対応も致しておりますが、基本的に月次顧問で上記の様な事がない様に
会社が成長できるサポートをメインにしております。
役員貸付金の解消方法もありますので、詳しくはお問い合わせください。
Question:国税庁から差押のショートメールが来ました。直ぐに支払った方が良いでしょうか?
Answer
このご質問は一昨日お客様から頂いた内容です。
結論:詐欺メールのため、納税はしないで下さい!
質問を頂いたのが22:08でした。私が返信したのが22:11。
その時点で、お客様はコンビニに走っておられましたが、間一髪で止めることが出来
ました。
国税庁から、税額等の連絡がショートメールでくることはありません。
参考までに、国税庁発表の注意喚起と、お客様に届いたメッセージをUPします。
皆様、ご注意ください。
国税庁の注意喚起
不審なショートメッセージやメールにご注意ください
お客様に届いたショートメール画像
Question:今、45歳ですが貯金が2,000万円あります。老後年金問題の2,000万円はこれで心配ないでしょうか?
Answer
問題はインフレ率(去年に比べてどれくらい物価が上昇したかを示す率)によります。
現状においては、問題ないとは言い切れません。
現在のインフレ率は2%強ですが、今後3%になるという予測もあります。
例えば、物価上昇率が年3.0%だったとして、20年後にモノを買うことを考えてみると
20年後の2,000万円は、現在の物価に換算すると、1,106万円に相当する物しか買えないことに
なります。お金の価値が894万円分も下がってしまうことになってしまします。
つまり、預金利率がインフレ率を超えない限り、預貯金は目減りしていくという事になります。
この辺をカバーするには、投資・運用を今のうちから勉強し行う事が必須となります。
詳しく御知りになりたい方はお問い合わせください。
Question:外資系企業に勤務しており、RSUやストックオプションを付与されております、確定申告はどうすれば良いですか?
Answer
外資系の企業ですと、給与振込みだけでなくRSUやストックオプションで報酬を支払う企業も少なくないと思います。
受け取っている方は、経済的利益が発生した時に給与所得として課税されますので、確定申告が必要となってきます。
具体的にはストックオプションは権利行使時点、RSUであれば権利確定時点で課税されます。
外資系の場合、株式はドル建てで上場していることが多く、確定申告の際には為替取引の仲値(TTM)を用いて円換算をします。
計算方法は下記となります。
ストックオプション:株式数 ✕(株式時価 ― 権利行使価格)✕ TTM
RSU:株式数 ✕ 株式時価 ✕ TTM
上記で計算された金額は、給与所得として申告します(源泉徴収なし)。
総合課税の為、貰えば貰うほど税率も上昇します。
また、ストックオプションやRSUで得た株式を売った(譲渡)した時は株式の譲渡所得として確定申告をします。
給与所得の計算と同様に円建てに換算し、譲渡金額と取得金額の差額を譲渡所得として申告します。
譲渡所得は分離課税で、20.315%(所得税および復興特別所得税15.315%、住民税5%)の税金が課せられます。
ご自身が、ストックオプションやRSUを付与されている事に気づかない方も多くいらっしゃいますので、確認される事が安全です。
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