Answer
会社が退任した役員に支払う役員退職金は会社の費用として原則損金算入が認められます。
ただし、同族会社の場合には役員退職金は利益調整項目として利用される場合が多い為、
法人税では過大に支払った役員退職金に対して損金算入(経費計上)に制限を置いています。
損金に算入されない(経費計上が認められない)退職金は、過大とみなされた部分の退職金額で
税務上認められた退職金部分は損金に算入されます。
税務上役員退職金として認められる額の算定方法は「功績倍率法」と「1年当たり平均額法」の
2つの方法が過去の裁判例では使われています。
※下記の算式は税法上定められている算式ではありません。
①功績倍率方・・・最もよく使用される方法
役員退職金額 = 退職時役員報酬月額 × 役員在任年数 × 功績倍率
あくまでも一般的に用いられている算式であるため、ほかに妥当と思われる基準で支払われ
る退職金であれば税法上も認められる場合もあります。
功績倍率は、昭和55年の裁判にて、国が示した下記倍率が採用される場合が多くなってい
ます。
「社長3.0、専務2.4、常務2.2、平取締役1.8、監査役1.6」
※役員退職金規定にて、会社に対する特別な功労があった場合の加算を設けている
ことがありますが、功労加算については、ほとんどの場合認められていないので
注意が必要です。
②1年当たり平均額法・・・その役員が退職直前に体調不良などにて、報酬が極端に減るなどとい
った特別な事情がある場合に使用される方法
役員退職金額 = 同種・同規模法人の1年当たり退職金額の合計額 ÷ 同種・同規模法人の数
× 勤続年数