税務Q&A
Question:監査役に支払う報酬を変更したいのですが問題ないでしょうか?
Answer
法人税法では監査役への報酬は役員報酬として取り扱われます。
役員報酬は、取締役と同様に監査役の職務内容に照らし相当と認められる定期定額(※)の役員報酬であるなら会社の費用として損金に算入することができます。
中小同族会社の場合には、監査役の存在は名目的な場合が多い傾向にあるかと思います。
実質的に業務をまったく行っていない名目だけの監査役に報酬を支払った場合には、法人税法上は会社の費用とは認められず損金算入が否認されることがあります。中小同族会社が監査役に報酬を支払う場合には、税務調査でチェックが入ることを前提に監査役が行った業務に証拠にとして業務履歴等を残しておく事をお勧めします。
具体的には、業務フローの確認書類や決算・会計処理についての監査報告書などの書類を作成しておく事が良いかと思います。
(※)定期定額の取り扱いに関しましては下記Q&Aを参照ください。
Question:ビットコインを売買・換金しましたが申告は必要でしょうか?
Answer
こちらのご質問はお電話であった内容となります。
テスラがビットコイン15億ドル相当の取得を発表し、現在価格が高騰し注目を集めているかと思います。
仮想通貨では税務上、申告するか否かは売却・通貨での物品購入・仮想通貨同士の交換等により利益/損失を認識し申告義務が生じる事となります。
他の有価証券とは異なり、雑所得として総合課税されますので、給与や事業所得等と合算されます。
また、利益確定の計算方法も、総平均法又は移動平均法のうちいずれか選択した方法(選択しない場合、個人においては総平均法、法人においては移動平均法)により計算した金額となります。
その他詳細に関しては、顧問税理士や税務署へお尋ね下さい。
Question:2020年分の個人の確定申告期限延長はありますでしょうか?
Answer
申告・納期限が共に延長となっております。
令和3年2月2日付で国税庁から下記の通り延長となった旨の報道資料が公表されております。
抜粋致しますと、下記の通りとなっております。
①申告期限・納付期限
所得税、個人事業者の消費税 ・・・ 贈与税は令和3年4月15日(木)迄
②振替納税適用の場合の振替日
所得税・・・令和3年5月31日(月)
個人事業者の消費税・・・令和3年5月24日(月)
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kansensho/pdf/0021002-018_1.pdf
Question:持続化給付金は課税されますでしょうか?
Answer
法人や個人事業主が昨今受給する下記の給付金は特例がない限り原則として法人税・所得税において課税の対象となります。
※消費税は不課税になるかと思います。
①持続化給付金
②家賃支援給付金
③雇用調整助成金
④各自治体からの休業協力金
尚、会社等が受けた雇用調整助成金は授業員等へ休業手当として支給する必要がありますが、受け取った従業員は給与と同様に所得税の課税対象となり源泉徴収がされますので注意が必要です。
※(1)従業員等が業務中の怪我などにより、労働基準法により支給される休業補償は所得税法において
非課税となります。
(2)特別定額給付金(全国民に一律10万円が給付された給付金)は、特例法を制定して非課税となって
います。
今回のコロナ関連給付金は様々な課税関係がありますので、事業者の皆様はご注意ください。
Question:運送業を営んでおります、期末前にタイヤを購入し未使用のものがありますが費用にできますか?
Answer
決算対策で備品を購入は良くあるかと思います。
法人税では、運送業ですと梱包材、事務用品等の毎期継続する費用を継続して費用処理している場合には、棚卸資産とはせず費用として損金に算入することが認められていますが、この処理が認められるのは毎期おおむね一定数量を取得し、かつ、経常的に消費するものに限られています。
今回のご質問のタイヤは上記のような「毎期継続する費用を継続して費用処理している場合」に該当せず、未使用のタイヤについては決算時点で棚卸をし、貯蔵品として棚卸資産(費用にならず)に計上することになると思います。
Question:1人5,000円以下飲食費は交際費にならないと聞きましたが2次会はどうなりますか?
Answer
基本的に1人5,000円以下の飲食費(福利厚生費を除く)は記載要件を満たせば交際費とせず会議費とする事が可能です。
ご質問の2次会の取扱いは下記のケースにより異なりますのでご注意ください。
Case1:1次会と2次会が同種業態の店で行われたケース
1次会と2次会が連続して行われていると認められる場合に該当すると思われ、1次会と2次会
の費用を合計して5,000円以下の判定をします。
(例)1次会も2次会も割烹料理店など同じような形態のお店で行われる場合です。
⇒実質的に同一の飲食店で行われたものとして税務上はみなします。
よって、飲食費を合計して1人5,000円以下であるの判定となります。
Case2:1次会と2次会が異なる業態の飲食店で行われた場合
1次会と2次会が単独で行われた認められ、1次会、2次会のそれぞれで1人5,000円以下
の判定となります。
(例)1次会がイタリアンレストランで2次会がバー等であれば、別々に5,000円以下の判
定をして問題ないと思われます。
※5,000円以下の飲食費はあくまでも店内で消費される飲食に限られ土産代などは
5,000円以下の飲食費には該当せず、土産代は交際費となります。
飲食代と土産代を合計して領収書をもらう場合は、内訳を記入してもらうようにしま
しょう。
Question:業務中に駐車違反等での交通反則金(罰金)は経費にできますか?
Answer
業務中に駐車違反・一時停止無視等を犯してしまった場合の交通反則金は会社の費用に計上します。
しかし、法人税の税額計算においては損金(税金を計算する上での経費)になりません。
法人税申告書上で税務調整により所得に加算することになります。
また、業務外の交通反則金を会社が負担した場合には本来負担すべき者に対する給与と取り扱われますのでご注意ください。
Question:役員だけ人間ドックのメニューを変える事は可能でしょうか?
Answer
役員(特定の者)のみの人間ドックのメニューを変更し、高額になった場合にはその健康診断費用は役員に対する給与として所得税が課税されます。
また、会社として法人税の計算上では「不定期な役員給与(役員賞与)」として経費(損金)になりません。
(所得税や住民税は課税されます。)
全社員を対象に行われる場合には福利厚生費として処理できますが、役員のみ健康診断を受ける場合や役員のみ特別メニューとなれば、役員と従業員を区別して行う健康診断は、原則的に役員に対する不定期給与(役員賞与)の取扱いになる場合がありますのでご注意ください。
年齢や勤務年齢、役職などに応じた全社員を対象とする健康診断の規定を作り税務調査時に給与課税されないような対策をとっておくことをお勧めします。
役員のみの会社の場合には役員への不定期給与として課税される可能性が高いと思われます。
実務上は税務調査時の調査官の判断に任されているのが実態です。
Question:過大役員退職金でも退職所得となりますか?
Answer
税務上では過大役員退職金とされた場合、法人税の計算上損金算入されない部分が生じます。
※法人税での適正金額は下記の『役員退職金はいくらでも良いのでしょうか?』の記事をご参照ください。
Q&A 役員退職金はいくらでも良いのでしょうか?
法人税で過大役員退職金とされ法人税で経費否認された場合でも、退職所得として所得税・住民税を計算する場合には退職金として役員に支給された退職金すべてが退職所得となります。
法人税の計算上は損金に算入されない部分が生じたとしても、役員に対して支払った退職金額に変化はありません。
その為、所得税・住民税を計算する場合には過大役員退職金かどうかを問わず計算がなされるのです。
Question:社長の子供へアルバイト代は支給しても良いのでしょうか?
Answer
社長や役員の子供にアルバイト代を払う事自体は、会社の業務に従事した正当な対価であれば税務上問題になることはありません。
ただし、社長や役員の親族等に対する給与は、税務調査において実態が伴っているか確認がされるケースがありますので仕事の具体的な内容や仕事のエビデンス(書いた書類など)をとっておくことが必要です。
子供や親族等へのアルバイト支払額が他のアルバイトへの支払額や世間相場と比べて過大であるときは、その過大な部分は原則として社長や役員に対する給与と認定されるケースもありますので注意が必要です。
また、子供へ支払ったアルバイト代が業務に従事した実態がものであれば、アルバイト代が社長や役員に対する給与と認定されます。